ふーやんのマレーシア移住日記

インドネシア駐在を中心に30年以上アジア業務に携わってきました。昨年よりマレーシアに移住しています。

マレーシア政府、5月4日(月)より、主な経済活動、社会活動の再開を発表。

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昨日(5月1日)、首相は、主な経済活動、社会活動の再開を発表した。

以上、日本大使館発表の全文

首相演説(要約)
●5月4日より条件付き活動制限令(Conditional Movement Control Order:CMCO)が施行され,大部分の経済活動及び社会活動が許可される。

●禁止される経済活動及び社会活動のリストは,国家安全保障会議のウェブページ( https://www.pmo.gov.my )に掲載され,随時更新される。操業が認められる産業・企業セクターは,政府が定めた規制内容(SOP)に従わなければならない。

※SOPの全体概要(対象外リスト含む)の英語仮訳はこちら。( https://www.my.emb-japan.go.jp/files/100051120.pdf

●活動ごとの具体的な取扱いの例
1.企業活動
SOP( https://www.pmo.gov.my 参照)を遵守することを条件に,ほぼ全ての経済セクターの営業が認められる。ただし,映画館,カラオケ,娯楽施設,リフレクソロジー施設,テーマパーク,ラマダンバザールや展示会は認められない。

2.スポーツ
屋内外を問わず,サッカー,ラグビー,水泳等の,身体への接触や感染のリスクを負うスポーツは,認められない。
テニスやバドミントンは屋外で無観客に限り,またジョギング(10人以下の小集団でのジョギングを含む),サイクリング,ゴルフは社会的距離を遵守すれば許可される。

3.宗教活動
モスク等宗教施設での集団によるお祈り,オープンハウス等の宗教活動は認められない。

4.州をまたぐ移動
ハリラヤアイディルフィトリのお祝いを含め,州をまたぐ国内旅行は認められない。仕事への移動の場合及び実家に取り残され自宅に戻れていない人のみ,州をまたぐ移動が認められる(当館注:引き続き,こうした事情の下で,州をまたぐ移動の必要が生じた際には,もよりの警察署に事前に相談されることを強くおすすめします。)。

5.学校
全ての学校は,大学等の高等教育機関を含め,閉鎖を継続する。

6.レストラン
レストランでは,経営者は,テーブルを少なくとも2メートル離すこと,顧客の社会的距離の確保,支払いカウンター前の社会的距離確保(1メール以上),手指消毒液の準備,テーブルの確実な清掃,従業員のマスク着用の義務づけ,入店時の顧客の検温,顧客の氏名・電話番号や来店日時の記録等の諸作業をすべて実施しなければならない。

7.公共交通機関の利用
公共交通機関の利用者に対しては,鼻と口が隠れるマスクの着用,手指消毒液の携行を推奨する(当館注:これらは,義務ではありませんが,今後,人出の増加が見込まれるところ,感染予防の観点から,可能な限り遵守されることをおすすめします。)。

8.企業活動
雇用主は,時差出勤を奨励し,混雑緩和対策をとること。毎日雇用者の検温を実施すること。営業を再開したとしても可能な限り,自宅から仕事をするように促すこと。感染の症状が疑われる場合は早期に受診をさせること。職場の清潔を保ち,一人一人が感染防止策を徹底すること。

9.保育所
保育所も営業が許可されるが,子供への感染防止の観点から,家庭での保育が可能なように,各企業の雇用主は,家族が交代でテレワークできるような環境作りに努めること。

10.公共セクター
公共セクターも5月4日から営業が再開される。会議は可能な限りオンラインで実施すること

 

昨日の政府発表を聞いて正直びっくり

今週に入って、一部制限緩和の動きはあったが、ここまで、一挙に条件緩和を進めるとは正直思わなかった。

これまでは聞いていた噂では、活動制限について、保健省としては、最大4フレーズ(2か月)の再延長を考えているということだった。

あと2ヶ月この状態で自宅隔離が続くのかと思うと、絶望的な気持になっていた。

ところが、一家族2名まで外出が緩和されて、今回の発表だ。一挙に明るい気持になった。

これで政府としては、原則活動禁止から、原則活動緩和へ大きく舵をきったことになる。

これまでの活動制限の中、私個人としても経済活動への悪影響を強く心配していたが、政府も規制緩和へ方向転換したということは、実体経済の悪化が相当進んでいるということだろう。

マラッカの有名ホテルをはじめ、いくつかのホテルの閉鎖や、コタキナバルのハードロックカフェの閉鎖が発表された。

一番影響の受けやすいサービス産業、観光産業への影響が現実化している。

残念ながら、サービス産業、観光産業は、規制緩和が進んでも、短期的に元の状態に戻る可能性は小さく、本格的回復は来年以降ではないか。

ある程度規模の大きい業者が、固定費の支払い、借入金返済負担等を考慮して、早期に損切りを確定させたことは、事業者として懸命な判断だと思う。

さて、一方で、レストランの再開も認められた。但し、テーブル間の距離、各-ブルの人数制限、従業員の衛生管理、顧客の体温測定、顧客の氏名、電話番号、入店日時の記録保存等の条件付きだ。

このような条件付きで、はたして、顧客が規制以前の状況に復活する迄は、時間がかかる。

大手資本のチェーン店ならばまだしも、零細事業者は、家賃等の固定費を払いながらいつまで事業がもつのだろう。

生計維持のためには、事業の損切りもできず、何とか本格的回復まで頑張ってほしい。

金融機関からの借入れ返済猶予に関する論議

マレーシア中銀は、すでに金融機関からのローン、借入れについて6か月間の返済猶予を決めているが、返済猶予期間の金利については、支払い免除は認められていない。

個人、事業者ともに、6か月後、生活、事業が以前のように回復している保証はなく、金利免除を求める要求が中銀に対して高まっている。

金融機関は、BIS規制(自己資本規制)に縛られており、借入債権に対し金利免除を行ってしまうと、業績への影響だけでなく、不良債権と見なされ、追加貸倒引当が発生してしまう。

最終的に、金融機関が、多額の損失計上を余儀なくされると、経営不安に陥る。

全体として、金融不安が生じるような状況になると経済が破綻してしまう。金融危機だけは決して起こしてはいけない。

この非常事態の中、ローン、借入をもっている個人や事業者の返済負担が増大する中、最終的にこれを解決する道は、政府による保証,或いは借入、金利の肩代わりしか手はない。

マレーシア経済救済のためには、思い切った金融面での政府のてこ入れが必要だ

建設業界の工事再開も、約30,000件程度の案件に対し認められる。

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IOIシティーモールプロジェクト

マレーシアの経済成長を支える建設業界についても、多くのプロジェクトに対して再開が認められる。

私のアパートの目の前で、IOIシティモールの拡張工事が進行中であるが、この2か月間工事が中断されていた。

建設プロジェクトの命は、工程管理だ。

数十億~数億円相当の大プロジェクトが、2か月あまり中断すれば、金銭的に想像できないほどの損失が発生する。

毎日、朝起きると、今日はいくらの損失が発生するんだろうと静まり返った工事現場を眺めていた。

工事現場の入り口の門には、漢字が書かれているので、中国系企業が請け負っている案件だろう。

このプロジェクトも、本日は、たくさんの車が工事現場の前に止まっているので来週には、再開するのではないか。

また、建設音が騒がしい日々が戻るのかと思うと、うんざりする反面、何となくほっとする部分もある。

工事中止期間の損失について、施工側、請負い側のどちらが負担するのだろう。

建設工事請負契約には、詳細が決められているはずだが、プロジェクト全体の損失は、大赤字に違いない。