ふーやんのマレーシア移住日記

インドネシア駐在を中心に30年以上アジア業務に携わってきました。昨年よりマレーシアに移住しています。

銀行への借入金の返済猶予期限がくるよ

にほんブログ村 海外生活ブログ マレーシア情報へ
にほんブログ村    👆ランキング応援ポチット宜しくお願いします。       人事のオンラインサロン【人事倶楽部】

 

マレーシア経済に大きな試練か?

3月に始まった、銀行ローンの返済猶予期限がくる。

返済猶予は6か月の期限付きで、始まったので9月には返済猶予が終わってしまう。

失業者等のグループには3か月延長を認めるとか。給与カットを受けている者は、返済金軽減等の特別措置を受けられるとなっているが、いづれにしてもその場しのぎだと思う。

対象のローンは、個人が383億リンギット、中小企業が207億リンギット、併せて約600億リンギットということは、約15,600億円だ。

この金額は、マレーシアの経済規模からすると、かなり大きい金額だ。

今のマレーシアの経済政策からみても、たとえ、多少の返済猶予の追加をしても、このローンが短期間のうちに返済される可能性は極めて低いと考えるべきだろう。

www.asiainfonet.com

日本の経済対策では、融資を使った民間企業の支援策は充実している。

無利息融資支援も民間銀行でなく政府系金融機関を使っての支援であり、最終的に返済不能となった場合も、強制的返済を求めないない仕組みとなっている。

インドネシアの場合は、民間銀行へ返済猶予を可能とする通達なので、あくまでも経営判断は民間銀行側となっている。

一方、マレーシアは政府決定として、返済猶予を民間銀行に要請しているので、今後、返済不能となった借入に対する判断は政府側にある。

金融機関側は、貸出金が回収不能となると、一挙に財務内容が悪化し、格付けが低下、赤字決算となっていく。

ここで、政府としての支援がなければ、個人は、担保となっている住宅を取られることになるし、企業は破産することになる。

今のところ、マレーシアでは、コロナウイルスの感染者数の抑え込みについてのみ、政府もマスコミも騒いでる感じが強い。

経済対策に対する、報道はほとんどみられない。

しかし、本当の経済不振による痛みが来るのはこれからだ。

実質的には、今のコロナ問題よりずっと深刻な状況がくるものと予想される。

銀行のローン返済問題は,この状況下では、もはや、いち民間銀行の経営問題ではない。

政府が本当に経済対策の一環として、金融問題に取り組まないと、この国の経済はもたない。