インドネシア西ジャワ州工業団地で集団感染発生
西ジャワ州ブカシの工場で集団感染
日系企業各社でも集団感染続発
インドネシア西ジャワ州ブカシ県の工業団地で新型コロナウイルスの感染が拡大している。
6月の英蘭食品・家庭用品大手ユニリーバの工場を皮切りに、自動車用タイヤ世界大手
ブリヂストンなど日系を含む複数の工場でも感染者が確認された。
ブカシにある複数の工業団地は、インドネシア製造業の中心地だ。
自動車関連企業も集中しており、インドネシア経済浮沈のカギを握っている。
この地域で、コロナの集団感染が発生している。
リドワン西ジャワ州知事は、団地内で発生、拡大しているクラスター(感染者集団)
への対応として、事業主に対し従業員の工場外での活動についても
把握するよう求めている。
大手企業の多くの工場が、厳格なコロナ感染対応策を取っており、
コロナ感染の集団感染要因は、工場内というより、工場労働者の、
住宅地域の可能性が大いにある。
工場労働者の多くが、工場周辺地域の村落に居住している。
いわゆる、”カンプン”といわれる地域で、素朴なつくりの家に
大家族が住んでいる。
外国人労働者が中心のマレーシアでは、外国人労働者が住んでいる地域を地域ごと強制隔離してしまうことが可能であるが、
インドネシアでは、”カンプン””ごと強制隔離させることは不可能だ。
そこには、昔からの、村社会が存在し、密集している。
また、ジャカルタからチレボンにむかう地域は、インドネシア随一の
人口密集地であり、切れ目なく"カンプン”が連続している。
コロナ感染があちらこちらで集団発生している可能性は高い。
リドワン西ジャワ州知事は工業団地の所有者らと会い、クラスターの予防に向け、
工場勤務者に対して、毎朝日報で工場外の活動を報告させるように促した。
その日報を基に、従業員の行動パターンから感染リスクを分析する考えだという。
工場の経営者に対し、感染者を確認した場合には、その従業員が勤務していた区画を
閉鎖する一方、他の区画では稼働を続けて工場の生産性を維持するよう求めた。
州知事も、工場労働者に日報を報告させ、工場外での行動の把握を務めて、
感染リスクを分析せよと指示。
また、経営者には感染者が出た場合は、対象区画は閉鎖する一方で、
工場の稼働を持続して、生産を維持するように求めている。
マレーシアの強権ぶりと比較して、インドネシアは、
あまりにも対策が、手ぬるいよう見えるが、
インドネシアの工場の労働者は、外国人ではなく
周辺住民であり、いかにして、まずは、地域住民の
食い扶持を確保するかが至上命題であるためだ。。
そのためにも、万が一にも、工場が閉鎖するようなことがあっては困る。
コロナ感染者の増加も困るが、まずは、経済不振による、住民の生活困窮を
いかにして防ぐかが重要。
多くの住民が、若年層なので、コロナ感染リスクに比べると、経済の再開が圧倒的に優先課題だ。
マレーシア政府のコロナ対策に比べ、そもそも、あまりにも置かれている環境が違う。