MM2Hに関する新制度について、このまますんなりと実施は無理でしょう
MM2Hに関する新制度について思うこと
Mytown 記事より
内務省は8月11日、10月から「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム」の申請を再開させると発表した。ただ、従来より申請条件が厳しくなった。
「国家復興計画」の一貫として再開させるもので、7月14日と30日の閣議で新たな条件内容が決定された。
今後の新型コロナウイルスの感染防止策の一つとして、政府は申請者本人とその扶養家族を含め、一度に同プログラムに参加できる人数の上限をマレーシア国民の1%以下に設定すると決定。さらに、下記の9つの条件をクリアした人のみ申請できるとも説明した。
1)1年のうち累計で90日以上滞在すること。
2)海外で最低月4万リンギの所得があること。(これまでは同1万リンギだった)
3)最低でも100万リンギの定期預金口座をもち、不動産購入や健康、子どもの教育などの目的で、元本の50%まで引き出しが可能であること。
4)申請資格年齢を2つに分ける。35~49歳と50歳以上のカテゴリーにし、前者は収入が安定していること。
5)MM2Hの査証パスの期間は5年とする。その後は5年毎の延長とする。
6)150万リンギ以上の流動資産を申告すること。
7)年間のパス料金を500リンギに引き上げる。手続き料金は本人が5000リンギ、扶養家族1人につき2500リンギとする。
8)パスの更新、代表者の変更、代表者や扶養家族の国籍変更には、内務省のセキュリティ検査を受けて合格すること。
9)このプログラムに参加する扶養家族も含む全員の善行証明書(Letter of Good Conduct)を提出すること
今後のパスの更新者に対しては猶予期間を1年設け、その期間内に上記の新条件を整えるよう求めた。
なお、現在、MM2Hパスの保有者とその扶養家族は5万7478人だという。
まずこの新制度内容について感じることは。。
現政権が終わろうとしているぎりぎりのタイミングで出してきたことに、政治的な動きを感じます。このような、高いハードルをMM2Hの申請条件とすることで、誰が得するのでしょうか?
当然、新規に申請する人は激減するでしょう。既に、多くの人が、ずっとハードルの低いサラワクのMM2H制度に興味を示しているそうです。
現観光大臣はサラワクの党の出身者ということなので、MM2Hの申請者をサラワクへ誘導しようとしているのではないでしょうか。
もうひとつ、一番大きな問題は、既存のMM2Hビザ所有者が更新するときにも、新条件が適用されるということです。
普通の国では、規制変更時に既得権者へは新条件を適用させませんが、今回の制度変更によると、今年10月以降期限の到来する人は、実質的に更新はできないことになります。
制度変更自体は、国としての方針なので仕方ありませんが、既存のビザ保有者に対して制度変更を課することは、国に対する信頼性の問題に直結します。
MM2H制度自体そのものに対する信用が大きく揺らぐことになるでしょう。
朝令暮改のお国柄なので、このまますんなりと適用されることはないと思いますが、特に、新政権となった場合、この制度への対応が注目されます。