訪中したヒシャムディン外相の発言に批判が集中
中国との外相会談におけるヒシャムディン外相の発言に批判
背景には、南シナ海の領有権問題
Malaysiakini紙より
「ひっくり返った小舟は元に戻せるが、不用意な一言は、取り返しがつかない」
このマレーシアのことわざが、現実的に起きてしまった。
ヒシャムディン外相中国訪問時、王毅外相との会談におけるヒシャムディン外相の発言が注目されている。
同大臣は、「中国は、マレーシアにとって兄貴分だ(BIG BROTHER)」と呼びかけ、王毅外相も「我々は兄弟だと」返した。
ヒシャムディン外相は、マレーシアの尊厳と独立を守るフロントライナーとして、基本的な使命を果たすことに失敗した。
中国皇帝たちの末裔による、マルコポーロ以来の手練手管により篭絡され、この外相は、マレーシアは中国の弟分だと口ばしってしまった。
荷が重すぎる外相という地位から直ちに辞任し、マレーシア国民に詫びるべきだ。
何故詫びる必要があるか、その理由は、1.中国は、国際法によりマレーシアの領海と認識されている地域を幾度となく侵犯している。2.中国は、マレーシアの排他的経済ゾーンを認めていない。3.中国が南シナ海の大半の地域の領有権を主張。4.60年前のアジア、アフリカ会議で誓った中立、非同盟主義の原則に合致しない。5.50年前に誓った、自由で、平和で、中立主義に基づいたASEANの成立精神に違反する。
外相は、その不用意な一言で、米中の緊張が高まる中、このASEANを戦場にしてはいけない。
MalaisiaKini より
それにしても、手厳しい外相批判です。
日本の茂木大臣も王毅外相との会見で、王毅外相の発言に対し、適格な反論ができなかったとして批判を受けましたが、同じようなことがマレーシアでも起きました。
中国の主張する南シナ海の領有権は、著しくブルネイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピンの領有権と利害が衝突しており、国際問題に発展しています。
伝統的に、ASEAN各国は、中立主義を基本としていますが、米中の覇権争いに巻き込まれ、微妙な立場に追い込まれてきました。
領有権の問題は、直接各国の国民感情を刺激するので、政府もしっかりと方針を打ち出さないと、このように直接的な厳しい批判にさらされてしまいます。
もともと、現政権は中国に対し弱腰だと、批判を受けていましたので、今回のヒシャムディン外相の対応は、世論、国民にとってマイナスの印象が大きかったようです。
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