ふーやんのマレーシア移住日記

インドネシア駐在を中心に30年以上アジア業務に携わってきました。昨年よりマレーシアに移住しています。

インドネシア政府は、レバラン帰省禁止令を発表

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4月21日,ジョコウィ大統領は,ラマダン及びレバラン期間における帰省の全面禁止を発表しました

  • 4月21日,ジョコウィ大統領は,ラマダン(断食月)及びレバラン(断食明け大祭)期間の帰省について,依然として少なくない数の国民が帰省の意思を有しているとの調査結果を踏まえ,以前から禁止していた国家公務員,国軍,警察,国営企業職員に限らず,帰省を全面的に禁止すると発表した。
  • 同日,ルフット・パンジャイタン運輸大臣代行(海洋・投資担当調整大臣)は,帰省禁止措置について,以下のとおり説明した。
  • 政府は,ジャカルタ首都圏(Jabodetabek),大規模な社会制限を実施している地域及びその他の新型コロナウイルスの汚染地域(「レッドゾーン」。詳細は調査中。)に含まれる地域を対象に,本年のラマダン及びレバランにかけての帰省禁止を決定した。
  • この帰省禁止措置により,ジャカルタ首都圏は圏外との間で人の出入りが禁止されるが,物流のための出入域は,引き続き許可される。また,ジャカルタ首都圏内での人の移動は,引き続き許可される。通勤鉄道のような首都圏内の大量輸送交通は,引き続き運行される。高速道路は閉鎖されないが,その利用は,物流,保健衛生,金融等に関連する車両に限定される。
  • この帰省禁止措置は,4月24日から実施し,5月7日から罰則を適用すべく準備している。
    (在ジャカルタ日本大使館掲示板)

 

対象地域は、ジャカルタ首都圏、および周辺汚染地域となっている。すでに100万人程度が首都圏から帰省している中、突如の帰省禁止令に対し、多くの批判が政府に向けられている。

 ジョコウィ大統領は、こうした批判に対して、普通の帰省(Pulang Kampung)とレバラン帰省(Mudik)の違いについて、次のように説明した。

普通の帰省(Pulang Kampung)とは、妻子は田舎に残して、単身で首都圏で仕事をしている人が家族のもとへ、帰省することだ。

これまで、既に首都圏より出た人たちは、コロナ感染の影響により仕事場が閉鎖になる等の理由で帰省した人たちだ。

一方、レバラン帰省とはまさにレバランを田舎で過ごすための帰省であると説明。

コロナ感染の地方への拡大防止のため、今年のレバラン帰省の禁止について理解を求めた。

ユスフカラ前副大統領もプレスの質問に対し、ジョコウィ大統領のレバラン帰省禁止令に対し支持を表明。

各地方政府も首都圏からの帰省者に対し、2週間の自己隔離することを決めており、仮に、レバラン帰省したとしても、2週間家で過ごさなければならないと説明した。

インドネシアでのイスラム教徒にとってレバラン帰省は年間一大行事

インドネシアラマダン、レバランは大多数を占めるイスラム教徒にとって、年1回の一大行事である。

正式には、プアサ明けの大祭は2日間だけの休日だが、最近では、政府が大祭前後の数日間に全国統一年休取得日加え、最低1週間が公的な休みとなっている。

さらに、通常多くの労働者は、個人の年休を加え、2週間程度休むのが普通になってきた。

ちょうど、日本の正月休みの帰省ににているが、インドネシア全国で2億7千万人の民族移動がおきるので、ずっとスケールが大きい。

ラマダン月(断食)に入ると、毎日夕方のプアサ明け(Buka Puasa)には、職場、友人たちなどと会食を行うため、5時前にはオフィスから人がいなくなってしまう。

ちょうど日本で年末になると、忘年会をいろいろな職場、友人と行うのとよく似ている。

外国人も例外ではなく,職場等で行われるプアサ明けの会食(Buka Puasa)には参加しなければならない。

官公庁のプアサ明けの会食(Buka Puasa)にも呼ばれるので、ラマダン月のお付き合いは大変だ。

レバラン帰省を禁止するということはインドネシア政府として相当に重い決断だ。

イスラム教徒にとって、イスラム大祭(レバラン)とは、ラマダン月(断食) 明けを親戚一同と祝う重要な行事であり、レバランが近づくと首都圏で働く労働者の帰省が一斉に始まる。

今回そのレバラン帰省をインドネシア政府が強制的に禁止したということは、コロナウイルス感染が相当に進んでいるものと考えられる。

政府を批判するマスコミ、国民の気持も分かるが、ここは政府の判断が正しいと思う。

当初インドネシア政府は、コロナ感染対策については鷹揚であった。

正式に国内での感染者を発表したのも3月の2週目に入ってからだ。それまで世界は何故インドネシアは感染者がいないのだろうと疑いの目を向けていた。

今や8000人(4月23日)近い感染者の発生が発表されている。インドネシアの国情からすると実態の数字はこの数倍に達するのではないかと推測する。

私も今回のインドネシア政府の決断は評価するし、再選したばかりのジョコウィ大統領のリーダーシップに今後も期待する。