国会が18日に一日だけ召集される。
18日に、コロナ騒ぎにより、3月より延期されていた国会が召集される。マハティールさんはこの国会で首相不信任案を提出するようだ。
マハティールさんは、2月の当時の与党連合PH内のごたごたで、突然退任してしまった。早期の首相の座の禅譲を求めるアンワル派とこれに反発するPPBM党の争いの結果、この争いを収めようとした結果だ。
マハティールさん独特の老獪な戦術で、一旦、退任した格好で、アンワル派をけん制し、再び首相の座へ戻ろうとしたが、ムヒディンさんがUMNO党連立する形で、いち早くアゴン(国王)の首班指名を取ってしまった。
マハティールさんは、その直後にマハティールさんを支持する派が過半数を占めているとして、国会の召集を求めたが、現与党は、コロナ問題を理由にここまで国会開催を延期してきた。
ムヒディンさんは、首相不信任案を受け付けない方針。
新聞報道によると、現与党は、国会の審議事項が山積みになっているとして首相不信任案の審議を拒否する意向らしい。
マハティールさんは、現与党が多数派を形成できない場合、首相の交代を要求するか、場合によっては総選挙の実施を視野にいれているようだ。
日本でも、かつて自民党が社会党の党首をかついで、政権を取り戻したことがある。
ムヒディンさんが、総選挙で敗れた政党(UMNO)と組んで政権を奪取したことについては、やはり、疑問が残る。
前回の総選挙で示された民意にそぐわないのではないか。
マハティールさんは、汚職問題で総選挙に敗れたナジムさんが実権を持つ現与党の正当性を問うており、やはり、その主張に分がある。
アゴンの決定が優先される?
私は、これまでずっと、アゴンとは日本の天皇陛下に近い存在で、国民統合の象徴であり、政治介入はしないものと思っていた。
ムヒディンさんが首相に指名されるとき、アゴンは、議員に個別面接をして、多数派はムヒディンさんを支持していると確認したうえで認証したとの報道だったので、ずっと腑に落ちていなかった。
日本でも、英国でも立憲君主制の国は、議会で多数派が指名した結果をもって、君主が認証を行うのが一般的だ。そうでないと議会制民主主義が機能しないと思うが。
18日の国会で、議会の多数派の意向が確認されないのであれば、2018年の総選挙で示された国民の意思ってどうなってしまうのだろう。
アンワルさんも首相の座への道のりが長いね。
アンワルさんも、今回は首相の座が目の前まできていたので残念だと思う。
マハティールさんからの首相の座の禅譲は約束されていたということだが、マハティールさんやPPBM党の首脳は、どうも譲る気がないということで、アンワル派は慌てたのだろう。
政治の世界は、混とんとしているので、様々な駆け引きがあるのだと思うが、マハティールさんやその支持者は、息子さんにニューリーダーとして期待していると思う。
もともとアンワルさんとの仲は良くないので、ナジブ政権打倒のとこまでは、一旦協力関係に入ったが、いざ、禅譲という段階になると、本人も支持者も抵抗感が強まったのだろう。
ムヒディンさんとしては、思わぬところで自分にチャンスが転がりこんできたので、これはラッキーとチャンスに乗ったのだろう。
政治家であれば、誰しも野心があるので、気持ちはよくわかる。まして、相手がUMNO党となれば、2018年までは一緒にやってきた仲間がたくさんいる。
それにしても、マハティールさんはアンワルさんと再度連立するのか、或いは、あっと驚くような展開があるのか、18日の国会の動向には目が離せない。