マレーシア国会首相不信任案について審議せず。
5月18日(月)国会審議されず、国王の演説のみの開催となった。
国王は、演説の中で、ムヒディン首相を指名した経緯について説明。マハティール前首相より突然辞任の意を告げられ、強く慰留したが翻意を得ることができなかった。
従って、次の組閣作業に入ったところ、ムヒディン氏を推薦する議員数が過半数を超えたため、ムヒディンを首相に指名した。と説明した。
マレーシアも本来、選挙で過半数を得た政党グループが政権を担うのが普通であり、国王の裁定で首相が選ばれることは、極めて異例らしい。
野党は、首相不信任を提出していたが、審議されることもなく、コロナ問題を理由に閉会となった。
与野党の差は、ほとんどない。
与党側の席に座っていた議員数は、当初114議席とされていたが、その後、1議員が野党支持を表明したため、与野党の差は2議席程度と非常に微妙な状況となっている。
マハティールさんは、2月末に時点では、マハティール支持派が114議席あるとしていたが、今回の国会の状況からみると、僅かながら与党有利となっているようであるが、その差は微妙だ。
PPBM党内での攻防は、マハティールさん不利か
PPBM党内は、2月末のマハティールさんの、党議長辞任を正式に承認。次回党内選挙が行われるまで、ムヒディン現首相が党総裁として、最終決定を行うことについて、多数が同意した。
次回、党総裁選挙と党議長選挙が行われるが、マハティールさんと息子さんの派閥が過半数を取る可能性は低いようだ。
現在のところ、PPBM党の党内闘争としては、現首相派が有利な情勢。しかしながら、少なくとも2018年総選挙で、汚職問題で民意によりNOをつきつけられた、UMNO党との現連立与党には正統性がないのは事実だ。
また、2月末のPH連立離脱について、PPBM党内議論の秘密録音記録が暴露されるなど、政治闘争が過熱してきている。
今後、マハティールさんがどう巻き返してくるか、目が離せない。