インドネシアからの密航者と思われる遺体発見
コロナ問題を受けて経済低迷か
ジョホール州コタティンギ警察は9月21日、東海岸にあるバンダル・プナワールの海岸で身元不明の6人の遺体を発見したと発表した。インドネシアから密入国を図ろうとしたグループの一員とみられている。
遺体は男性4人と女性2人。20日午後1時ごろに発見されたという。同日は海上の海は荒れており、警察は乗っていたボートが転覆して遺体が流されてきたとみている。(Mtown 記事引用)
インドネシアからの、密航者が増えている。
今回は、悪天候により、ボートが転覆、乗っていた6名が遺体で発見されたものだ。
1990年代、シンガポール、マレーシア(ジョホール州)、インドネシア(バタム島)は、成長の三角地帯として注目をあびた。
バタム島から、シンガポールまでは、フェリーで20分ー30分ぐらいの至近距離にある。
本社機能は、シンガポールにおき、工場はマレーシア、インドネシアで運営するという方式が推奨された。
こうすれば、貿易面、税制面で有利なだけでなく、低コストで工場を運営できるからだ。
私も、バタム島からリアウ諸島内にある、6人乗りのモーターボートで銅の発掘場所に行ったことがある。
バタム島から、出発すると、インドネシア領海にありながらすぐに、シンガポールテレコムの範囲にはいってしまた。
携帯料金が海外チャージされるので、慌てて携帯をOFFにした思い出がある。
バタム島には、シンガポールとインドネシアが出資した、バタミンド工業団地がある。
当初、多くの日系企業もシンガポールに本社機能をおき、工場をバタム島においた。
当時は、非常に注目されていたが、ここ数年の落ち込みは、目を覆うばかりだった。
主な要因は、バタム島の地元政府とバタミンド工業団地の利権争いだ。
行政手続きが2重になり、時間とコストばかりが、かかる状況になってしまった。
バタム島とその周辺地域には、インドネシア全国から人が移り住んだ。
工場労働者としてや、新興都市として周辺ビジネスのチャンスが増えたためだった。
ところが、工業団地の衰退と、今回のコロナ問題により、周辺の経済は相当に落ち込んでいるはずだ。
そこで、誰しもが、食い扶持を求めて、経済環境がよいマレーシアのジョホール地域を目指すのは、当然の流れだと思う。
当然、漁船レベルの船を使っての密航なので、悪天候で沈没するリスクも相当に高い。
それでも、この厳しい経済環境のなか、密航者は当面止まりそうにない。